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しばらく無言のまま、道なりに歩いていると灌木が途切れた場所に出た。
「そこ右に入って。」
彼が後ろから指示を出す。
私は言われたとおりに道を外れた。
17時を回るとさすがに辺りは暗くなってきていた。
歩き始めて5分ほど経っただろうか少し開けた場所に出た。
すでに日も傾き、もう夜が近かった。しかし、その姿ははっきりと私の目に飛び込んできた。
段ボールとブルーシートが山のように見える異様な光景。
ここで生活する者の砦。
まるで集落を形成するかのような佇まい。
私は無意識に後ずさりしていた。
「行きなさい。」
彼に指示されるまでも、私にはそれが理解できていた。
今、ここで行われようとしている狂宴について。

前回、ここへ訪れてきた時に彼は偶然ここのことを知ったそうだ。
地元の私にとっては周知の事実だったけれども。
数日後、再び彼はここへ来た。手土産を携えて。
馴染むのは割と早かったそうだ。
手土産も功を奏した。
すっかり打ち解けた彼は、住人たちとある約束をして帰ったという。
次回には飛び切り最高なお土産を持ってくると。
それが私だった。

再訪を歓喜する4人の住人。
彼は携えていたバッグから一升瓶を取り出した。
「おお、また持ってきてくれたのか。」
酒焼けとも垢とも言えない薄汚れた顔がほころぶ。
あっという間に数人の人だかり。
「まあ、中に入って入って。」
促されるままに、その中の一棟に迎え入れられた。
「おお、兄ちゃん、今日はこんなに別嬪さんを連れてきてくれたのか。」
「こりゃ酒がうまいわ。」
「ねえちゃん、綺麗だの。」
賛辞が口をつく。
悪い気はしなかった。ていうか、私の正体には気づいていないのか。
電気のない集落ではどこからか持ち寄ったランプだけが唯一の光源だった。
そのおかげでばれずにすんでいたのだ。
見かけには多少の自信もあったし。
念入りにメイクもしてある。
お気に入りの香水も。
ひとりのおやじがしきりに鼻を鳴らして近寄ってきた。
「いい匂いじゃ。」
「こんないい匂い嗅いだのはもう何十年ぶりかの。」
近寄られるととにかく臭かった。
私は耐え難い臭いにこの場を離れる方法を考えた。
「あの。。トイレ・・・トイレはありますか。。」
消え入るような声で尋ねてみた。答えは想像したとおりだった。
「ねぇよ。」
「来た道、戻って駐車場。」
笑い声が満ちた。
この暗い道を引き返す勇気は私にはなかった。
「誰かついていってやれよ。」
無責任な声。
いやいや、ここの誰かについてきてもらったら、とんでもない事になる。
そう判断したのは私だけではなかった。
「ここでせさて貰いなさい。」
彼だ。
「この子は私の言うことは何でも聞くから。ほらね。」
そういって、コートの中に隠していたリードを引っ張ってみせた。
「おおおっ」
歓声がどよめいた。
コートがはだけ、下着姿が披露されたのだ。
「おお、そこでやれ。」
ひとりが木の箱を顎で指した。
入り口近くに置いていた木の箱。その上でしろと。
放尿ショーが始まった。
さすがに前を向いてはできない。
察したかれも後ろ向きを指示した。
真っ赤なパンティを脱ぎ、欲しがる一人の男に奪われた。
コートは着たままだ。
一瞬の静寂。
放尿する音がブルーシートを叩く。
一人の男が覗こうと回り込む。
はっとしたが三人が制した。
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  1. 2016/02/02(火) 15:19:47|
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